アラサーリケジョの寄る辺

迷いながらもそれなりに人生を謳歌するアラサーリケジョの日常

【優しくあたたかなラブストーリー】「チェリまほ THE MOVIE」

※鑑賞後感想なのでネタバレを含みます

 

思いの他後半がシリアスでびっくりしたけど、誠実であたたかなラブストーリーでよかった。相手のことをただただ大切に思う二人の物語で、悪人も出てこないので、心洗われます。BLというジャンルものを超えた普遍性があると思った。

 

前半の転勤のパートのお互いに関係を大切にしたいが故のすれ違いが切なくも愛おしかった。不安から力を使おうとしてしまったり、連絡をとっても本音で返せなかったり。自分本位ではなく、あくまで相手を尊ぼうとした先のすれ違いが、チェリまほらしくて好き。

特に、いてもたっても長崎のシーンで、黒沢くんが大丈夫じゃなかったって吐露するシーンが良かった。強いていうなら黒沢くんの方が大丈夫じゃない組み合わせというか、自分が案外大丈夫じゃないことに初めて気付かされたのかな、とかはっとさせられるシーンだった。安達くんというパートナーが得られてよかったねえと思った。mcdくんの繊細な演技もすばらしかった。

安達くんの成長と黒沢くんも弱さを見せるのが映画の見どころとのことでしたが、まさにそんな二人が印象的。

 

あと、終盤、実家には一人で行くと強がる黒沢くんに、引かずに一緒に行くと告げた安達くんもよかったな~

普通はあそこで一人で行かせて、二人の関係ももやついて、親にも拒絶されて……ってなるところなんだろうけど、二人で行くところがチェリまほの優しさであり、安達くんの成長なんだろうなあと。

 

映像もドラマから引き続き綺麗だったし、劇伴も多過ぎず、間が大切にされてるのが演技を引き立たせてよかった。

主題歌もよい~きらきらラブコメっぽいOPと、じんわり染みるEDと、歌詞も世界観汲んでくれてるし。

 

フィクションと現実を結びつけるのって難しいけど、後半こんなうまくいかないよな……って思ったけど、あれが当然の世の中になればいいなと思います。

 

欲をいえば、転勤(遠距離)、同棲などなど、ドラマの尺でもっと丁寧に描いてほしかった感はある。

 

都合、BLを嗜まない母親と観に行き、「同棲って狭い方のアパートに住むんかい」ってつっこむから(若干私も思ったが笑)、「順調に貯金して分譲マンションでも買うでしょ」って返したら、「マンション買お、っていうのは安達くんだろうねえ」って言い出したのがハイライトでした。他人の解釈ほどうまいものはない。

意外と気に入ったのか両親でドラマ観てみるらしい笑

 

原作は勢いざっくり読んだし、ドラマの付き合うまでの二人の紆余曲折と成長もまた観たくなったので観返すぞ~

観た直後はもちろん、じわじわと幸福感の広がる素敵な映画だと思います。